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「三権の長」である参議院議長から埼玉県知事選に出馬、知事に当選したのが平成4年6月21日だった。そして、全国知事会長も務めたが、平成15年7月、知事土屋義彦の長女が不祥事で逮捕されたりで、土屋は辞職した。この土屋義彦が去る10月5日、多臓器不全のため、埼玉県春日部市の自宅でその生涯を82歳で閉じた。

『朝日』(08.10.7)より |
死者にムチ打つつもりはないが、土屋は、女房や娘たちには、からきし甘く、長女の桃子などは、“政治資金規正法違反”で逮捕されたこともあり、二女の品子も親の七光で衆議院議員の4期目だが、国会ではほとんど目立たない。それでも4期目となれば、その間に自民党外交部会長、党政調副会長、環境副大臣、外務大臣政務官などを歴任している。

土屋前埼玉県知事の“不肖の娘”である土屋品子(衆議院議員) |
しかし、次の衆院選は自民党に逆風が吹いているのと、父親であり、元県知事の土屋義彦という後盾がいなくなったことから、当選は至難の業。
衆議院議員土屋品子は、昭和27年に埼玉県春日部で生まれている。聖心女子大文学部を卒業後、栄養学と料理を学び、フランス、アメリカ、中国で“フラワーアレンジメント”の研究に専念していたという。
平成8年の衆議院議員選で初当選して現在4期目だが、平成4年の土屋義彦の知事選でも活躍していた。その運動のかたわら、品子は「フラワーメモリー」(目黒区青葉台)を経営していて、ここに「土屋義彦後援会事務所」が2つあった。「つちや倶楽部」と「たいさんぼくの会」という後援会は1口10万円と1口1万円の会費に別けていて、「フラワーメモリー」の“専務取締役”の名刺を持ち歩いていた韓国人の高木正樹と品子は金集めに奔走していた。この高木と品子は親密な関係で、2人の仲は、土屋知事夫妻も認めていて、選挙カーなどにも2人が同乗していた。

不鮮明だが、かつて『フォーカス』に掲載された品子と“あやしげな恋人” |
しかし一方で、土屋はこの高木を信用していなかったと見えて、「共同通信社」の編集委員を介して“仕置人”と会い、高木の素性の調査を依頼してきた。
得体の知れない高木は、「“大阪で建設設計事務所を経営していた”とか“アメリカのネルスビーネルソン”という弁護士事務所を共同経営していた」というが、調べてみると、その電話番号は不動産会社で「高木を知っているか」と聞くと「出入りしていただけ」という返事。
この高木について言えば、秩父の公共工事の入札の際、受注業者に口を出して変更させて、受注できた業者から謝礼を取った、という。その受注先は、土屋の知事選挙を応援した会社だった。
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金丸信・小沢一郎らの“土屋おろし”について当時の参議院議長だった土屋から取材して月刊『宝石』に書いた“仕置人”のレポート |
また、長女の土屋桃子は、司直の手によって“逮捕”されるまでも、さまざまな問題を起こしていたが、土屋は知事という自分の立場を理解していなかったし、そんな土屋を2人の娘や女房たちは自分たちの事業にフルに利用した。
長女の桃子が経営していた「プラス・ティー」(東京港区・土屋桃子社長)という会社があり、土屋の女房、品子、私設秘書などが役員に名を連ねていた。この「プラス・ティー」が平成8年ごろ、『みやび』と題した1冊4,120円のダイアリー形式の本を制作した。『みやび』は、“源氏物語絵巻”などを挿絵に使ったもので、地元の建設業者の集まりだったかつての談合組織“土曜会”会員のゼネコンに軒並み売りつけていた。
この件が公になったとき、土屋は次のようなコメントをしていた。「娘は、日本の文化を広めようと一生懸命がんばっている。私もそれを知っている。一般の商行為だと思うが、どこが悪いのか」と。
そもそも“土曜会”は畑和が知事時代に結成された悪名高い談合組織で、その悪弊を取り払うことを期待されて埼玉県民が土屋を知事にした。その知事のファミリーから買ってくれと言われれば断るわけにいかない。「百冊ぐらい協力してほしいと依頼された」という会社もある。
こうしたことを“商行為だ”と言い抜ける土屋は、世事に疎い親バカと言われても致し方ない。そういえば、埼玉県が「エフエム埼玉」の第2位の大株主であり、年商8,000万円を支払っている立場であるのに、港区の高級料亭で1人8万円の料理に舌つづみをうった。
当夜は「エフエム埼玉」から3人、「埼玉県」からも3人の計6人で合計50数万円を「エフエム埼玉」が支払った。
埼玉県は、平成6年から8年にかけて、カラ出張やカラ飲食による公費不正支出が相次いで発覚しており、」その総額は利息を含めて約25億円だった。つまり、土屋が知事に就任して以降に発生した不祥事。
この飲食による「エフエム埼玉」の接待は、県が広告削減を検討していた時期で、年間に8,000万円も税金を注入している民間企業からの接待を「私だって、いろいろな付き合いがある」で済まされるのか。公人である知事が公金を出している側なのに、受ける側から接待されることが問題であることの認識がまるで無い。土屋自身がこんなていたらくだから娘たちが増長し、桃子が“政治資金規正法違反”で東京地検特捜部に逮捕される破目になる。この“ダスキン不正支出事件”にからんで桃子が1000万円受け取ったというものだが、こうした無節操な親娘の象徴的なのは「西秩父桃湖」というダムの石碑にある。このダムの正式名称は「合角ダム」(かっかくダム)といい、平成6年7月15日に工事に着手し、平成15年3月3日完成(ダム検査合格)。総工費は、471億円だが、ここにどうして「桃湖」が刻み込まれたのか不可解。そこで、この「桃湖」という名称について調べてみると、「合角地区の吉田町で公募して決めました」と県側でいうので、もっと詳しく説明を求めると、300人に投票してもらいまして、そのうちの79人が「西秩父桃糊だったのです」という。「では、あそこには桃の木でもあるんですか」と質問すると、担当者は少し口ごもり、「平成11年に地元の方々が、200本の桃の木を植えました」。
右側が「西秩父桃湖」の石碑 |
何のことはない、ダムの担当者らの頭に、先ず、知事である土屋の長女の“桃子”があり、桃の木を200本植え、3月3日を完成日にすることによって「西秩父桃湖」と名付け、知事のご機嫌取りをしたのではないかと、思うのは、少々うがちすぎだろうか。釈然としないのは、石碑に土屋が署名したあとで200本の桃を植えているのだから――。とくに「合角ダム」と正式名称の石碑があるのに、その隣に並べて「西秩父桃湖」の石碑を建てる必要性がどこにあるのか。しかも「西秩父桃糊」の下方には「埼玉県知事土屋義彦」も自筆で刻み込まれている。このダムと同時期に完成した「浦山ダム」は工事費が1844億円。こちらには桃子が主催する“日本さくらの会”の“さくら”をつけた「秩父桜湖」も土屋の自筆による石碑がある。「これは、公私混同と批判されるからまずい」というくらいの見識も土屋ファミリーにはなかったということか。
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